第3次支援活動

12月28日

 朝早く、宿泊していたマンセラ(バラコットの30キロ手前)のホテルを出てイスラマバードに向かう。途中、タキシラの遺跡を見学していく。ここは今から1500年ほど前にガンダーラ仏教の聖地として栄えた。かつては仏教を学ぶ大学や、にぎわうバザールの町並みがあったのだが、すっかり寂れ果て、石組みの遺構だけが残っている。僕は遺跡を見学するのはとても好きだが、いつも人間の生のはかなさを感じずにはいられない。栄枯盛衰。僕たちは今生きている世界が未来永劫続くものと思い込んでいるけど、歴史がそれはないことを証明している。しかし、だからこそ、逆のこともいえる。パキスタン北部の被災地に暮らす人は本当にたいへんな思いをしている。でも、未来永劫、この暮らしが続くわけではない。そこに僕は人間の可能性と未来を描くことができると思う。イスラマバードでは、今回の旅のためにジープを用意してくださったナジール・サビール・エクスペディション社のスルタンさんにお礼の挨拶にうかがった。この会社は主に、カラコルムの登山やトレッキングの手配を行なっていて、僕とも古い付き合いだ。パキスタンは意外に知られていないのだが、ヒマラヤと並ぶ世界の高峰の宝庫である。登山家やクライマーにとっては、パキスタンという国に対して一般的な人が抱くネガティブなイメージとは裏腹に、実は身近な国でもあるのだ。

第3次支援活動 写真32 タキシラの遺跡
タキシラの遺跡

僕もこれまでの登山やトレッキングの旅では、パキスタンの人たちにはずいぶんとお世話になってきた。たいしたことはできないが、自分のできる範囲で、これからも支援を続けていきたいと思っている。ラワル・ピンディに宿を取った後、中心地のバザールに出かけた。お土産を買ったり、ぶらぶら歩きを楽しむ。さすがに緊迫した(?)被災地への旅だったせいか、ここに来てどっと疲れが出ている方もおられるように見えた。

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